【短編小説】かつお

novel

わたしは悩んでいた。

今、わたしはコンビニのおにぎりコーナーでお昼に食べるおにぎりを買いに来ていた。

飲み物であるお茶を棚から取り出し、おにぎりを1個買うつもりだったのだ。

仕事のお昼休み、いつもはお弁当なのだけど朝早く出社した為に作ってきてない。

そこでわたしは驚愕の場面を目撃することになる。

突然おにぎりコーナーのおにぎりがしゃべりだしたのだ。

どうやら隣にいるおじさんの様子からしゃべってるのを聞いてるのはわたしだけのようだ。

「おい!1個だけ選ぶなら人気のシャケに決まりだろう!俺を選べば間違いない」

「なにいってるんだい!おにぎりといえば梅!さっぱりして午後からの仕事も頑張れ!」

「おまえらは所詮通常おにぎりだろう。おれは高級おにぎりとしてより満足させられる」

「具が詰まってるおかかはいかが?」

「おにぎりを1個といえば昆布よね。私を召し上がれ」

「ぷちぷちが最高にいい明太子の私をえらんでよ」

おにぎりたちは自分を食べてもらおうと必死にアピールしている。

今日は朝から何も食べていない上に、今日はどうしても負けられないプレゼンが午後からある。結構長時間のプレゼンなのでご飯ものがほしい。

しかし、おにぎり同士の戦いを見ながらどうしたものかと悩んでいた。

もう何を買おうか決めてはいたのだが必死のアピールが面白く彼らの戦いを見ていた。

自分のいい処を必死に訴えかけてくる彼らにもう1個とも思ったが2個は多い。

しばらく必死のアピールをみてたが食べる時間もかんがえたらそろそろ決めないといけない。

– ねえ?今日午後からプレゼンがあるからそろそろ選ぶわね?

心の中でそっとつぶやくと、おにぎりたちはピタッとしゃべらなくなった。

わたしは、おにぎりを1個そっと選んでレジへ精算しに行った。

レジ袋を手に下げて会社に戻る道で私は彼らのアピールを思い出していた。

彼らはなぜにそんなに必死に私に食べてもらいたかったのかな?

廃棄がいやなの?それともおじさんじゃなくて私にたべてもらいたかったの?

今日のプレゼンは失敗できない。ぜひとも勝ち取る必要がある。

彼らも私にプレゼンしてたのね・・・・私も頑張らなくっちゃ!

おにぎりに元気づけられたというのもおかしい話だけどね。

「よし!おにぎりにまけてられないわね!」

わたしは小さくグッっとおにぎりの入ったレジ袋を抱えて走り出した。

今日のプレゼン!!!ぜったいに かつお!!!

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